徒手理学療法におけるレッドコードの活用方法
開催内容
日本筋骨格系徒手理学療法研究会では、2026年2月28日に開催される第13回学術大会に先立ち、プレセミナーとしてレッドコード講習会『徒手理学療法におけるレッドコードの活用方法』を開催いたします。
レッドコードは、1990年代初頭にノルウェー王国で開発されたサスペンションエクササイズ機器です。天井からおろした赤いロープで身体を吊るし、リラクセーションや運動負荷の増減、理学療法士の補助手として活用され、バランス練習やコアマッスルの強化、活性化などに用いられています。世界35ヵ国以上に普及しており、日本でも医療、介護、スポーツなどの分野で、高齢者からオリンピック選手まで幅広い年代、身体能力の方を対象に、リハビリや介護予防、トレーニングなどの場面で役立てられています。
レッドコードを使用して、ロープで身体の一部を支えることで、重力による負荷を軽減し、関節や筋肉への負担を最小限に抑えながら効果的な運動が可能です。ゆえに、痛みがある方や筋力低下のある方でも安心して取り組めます。そして、不安定なロープ上での運動は、バランス感覚や体幹の安定性を養い、全身の筋肉を協調的に働かせるため、効率的なトレーニングにつながります。また、理学療法士が徒手療法を行う際に、レッドコードを患者の体の一部を支える「第三の手」として活用することで、より安定したポジショニングや、セラピストの負担軽減、より繊細な操作が可能になります。
このようなレッドコードの特性を生かして、筋骨格系の症状を評価、治療する手法として、Neuromuscular Activation(NEURAC:ニューラック)と呼ばれるものがあります。NEURACは、最適な運動制御と機能の回復を目指す治療法であり、脳が正しい筋肉を適切なタイミングで、適切な強度で活性化するように再教育することに重点を置いています 。この手法は、症状だけでなく問題の根本的な原因に対処することを目的としており 、「ウィークリンク」テストと呼ばれる評価手順を用いて、機能不全や筋肉のアンバランスを特定します 。
本講習会では「ウィークリンク」テストによる評価とそれに基づく運動処方を中心に、徒手理学療法におけるレッドコードの活用方法をご紹介します。
徒手理学療法やレッドコードに興味がある理学療法士やその学生の方など、多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
講師
大森 圭(北海道文教大学副学長、OMPT、レッドコード国際インストラクター)
日時
2026年2月27日(金)15:00‐18:00
場所
北海道文教大学(北海道恵庭市黄金中央5丁目196−1)
3号館1階 治療室1
受講費
3000円
申し込み
こちらから ※学術大会とは別途お申し込みが必要となります。ご注意ください。