開催趣意

 第13回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会は、「継承と革新」をテーマとして企画し、2026年2月28日、3月1日に北海道恵庭市にて開催する運びとなりました.

 わが国における徒手理学療法は、偉大な先達方に導かれ1980年代より導入されています。徒手理学療法に関する多くの講習会や研修会が企画され技術や概念を学ぶことが可能となりました。世界では国際徒手理学療法連盟(The International Federation of Manual and Musculoskeletal Physical Therapists Incorporated:以下IFOMPT)が1967年に設立したのち徒手理学療法における教育基準を策定し、一定の水準を維持した筋骨格系を専門とした理学療法士を世界各国で輩出することを目指しており、日本は2008年よりIFOMPTに加盟しています。

 一方で、日本の理学療法を俯瞰してみるとこの数年で様々な変化がみられています。卒前教育では厚生労働省による指定規則が2020年より改正され、卒後教育では日本理学療法士協会による新生涯学習システムが2022年より開始されています。また2019年末からの新型コロナウィルス感染症の流行では社会生活の大きな変化がみられ、理学療法士の働く意識や学びに対する意識も大きく変化していることは周知であります。

 この様な「新時代」を迎え、今回の学術大会のテーマを「継承と革新」としました。「継承」とは受け継ぐことを意味し単純な動かし方や力の入れ方を習得するのではなく、その技術の歴史的背景も踏まえ、意義や概念を受け継がなくてはなりません。「革新」とは改めることを意味し受け継いだ技術や概念を現代医療に即した形で変えていかねばなりません。これまでの徒手理学療法の歴史を振り返り、新時代の理学療法にとって求められている技能を学び、徒手理学療法を最適化していくための「継承と革新」について参加される皆様と一緒に検討できる場としたいと思います。

 筋骨格系のマネージメントを主体とする徒手理学療法は、術後や受傷後のリハビリテーションのみならず、高齢者の機能維持やアスリートの障害予防を含め人々の健康に大きく貢献できる可能性を有しています。本学術大会では病院勤務の理学療法士だけでなく、地域リハビリテーション活動支援事業従事者、さらには個人事業開業者を含め、国民の生活機能とQOL向上に関る多くの理学療法士に参加いただけるような内容を企画しました。今回の企画を通して,より多くの会員に徒手理学療法について学習する場を提供し,当該分野の更なる発展に寄与できるよう,準備委員一同,ご参加をお待ちしております.

第13回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会

学術大会長 橋田 浩

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